何かわからないけど秋の気配に誘われて(読書の秋?)、すかすかなレイアウトの文学を読みたい気分。で、舞城王太郎『好き好き大好き超愛してる』と東直子『長崎くんの指』を読んだ。
『好き好き~』は、完全に「純愛」をネタにしたアイロニカルな小説なんじゃないか、という先入観を見事に打ち砕く「純愛小説」。「アイロニカルにベタ」という態度を伺わせつつ、直球・変化球両方の面白さを持つ。面白かった。
『長崎くん~』。東直子という人は歌人だそうだが、当然知らず。書評も何も見ず、ジャケ買い(それほど好きな装丁ではないんだけど)。これがけっこう良かった。何ていうか、すごくリベラル。行き倒れの人と同居する話、突然に逃亡する青年の話など、流行のトピックを微妙に回避したうえで、別の価値観を提示しているよう。

エンタメ系では、有川浩の『空の中』、『海の底』、『図書館内乱』を一気読み。それぞれキャラがかぶりすぎな気がするが、お約束の爽快感が得られる。いつのまにか、この人のライトノベル的文体にも馴れてしまった。
SurgeonのサイトでDJ MIXをダウンロードした。聴くのが楽しみ。
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